墓石屋の看板を見ていて、ふと思った。
これこそが「労働」というものの原点なのではないか、と。
墓石を世の中に提供し、社会の役に立つ。
まっとうな代金をもらい、自分自身の生活をも成り立たせる。
植物と動物の、酸素と二酸化炭素のやりとりにも似て、そこには他者に対する愛と自己に対する愛が共に成り立っている。
他者を生かし、己も生かす。
これこそが労働の原点なのかもしれない。
だとすれば、最近の行き過ぎた投資ブームは果たして人間にとっての幸福に値しているのだろうか。
もちろん適度な投資は経済の発展のためには必要だけれども。