自己批判できない人間がいる。
自分を客観視し、あるいは自分の信念を一度徹底的に否定する事のできない人間がいる。
真の意味で哲学者、思想家になれる人間は、内的に自殺した人間だけだ。
内的な自殺とは自己否定ではない。
内的な自殺とは己の価値を信じて死ぬことだ。
また内的な自殺と肉体的な自殺の区別ができない人間がいる。
内的な自殺は幸福だ。
内的な自殺とは自己を信じて死ぬ事だ。
自分という人間に価値がある事、また、自分は世界から愛されているという絶対の確信を持って死ぬ事だ。
一方で自己否定はニヒリズムから生まれる。
そこには自分自身の価値や愛に対する確信がない。
自己否定と肉体的な自殺は絶対に悲劇だ。
内的な自殺はフェニックスのように自分自身を生命の中に蘇らせる。
一方で自己否定はニヒリズムから生まれ、それは肉体的な自殺という悲劇につながる。