共産主義の敗北と復権。

共産主義からはなぜ独裁が生まれやすいのか。

一定の発展を遂げた共産主義社会では労働意欲が停滞し、生産性が低下するからである。

低下した生産性と労働意欲を強制的に高めるために、強い権力が求められる。

共産主義は社会インフラの整備されていない後進的社会では絶大な威力を発揮する。

しかし整備された社会インフラのもとで共産主義社会が一定の経済的発展を遂げ、中産階級が増えてくると、共産主義社会は徐々に脆弱で不安定になってくる。

いずれ中国は共産主義を捨て、中国共産党の一党独裁は終わるだろう。

中国の資本主義化はいつか実現するだろうが、それは共産主義の敗北を意味するのではない。

共産主義は千年後にも生きており、その時にも人類に対して何かしら刺激を与えているだろう。

共産主義は滅びない。

いつの日か、生産手段が公有化され、能力に応じて働き、必要に応じて受け取る平等な社会が来るのかもしれない。

僕は共産主義者ではないが、もしもそうした社会が本当に個々人に幸福をもたらすのならば、そういう社会設計があっても良いと思う。

共産主義は科学だ。

だが唯物論は宗教だ。

我々は近視眼ではなく、千年単位の歴史の中で、未来を見つめなければならない。

資本主義を礼賛する事は、共産主義を礼賛する事と同様に愚かな事である。